病気について

統合失調症

統合失調症チェック

・自分を責めたり命令したりする、正体不明の声が聞こえる

・極度の不安や緊張を感じるようになった

・自分は誰かに操られていると感じる

・みんなが自分の悪口を言っている、嫌がらせをしてくる

・頭の中が騒がしくて眠れなくなった、または眠りすぎるほど眠るようになった

・独り笑い、独り言を言うようになった

・自分の考えていることが周りにもれていると感じる

・誰かから監視されたり、盗聴されたり、ねらわれていると感じる

この症状は、統合失調症のせいかもしれません。

統合失調症とは

統合失調症は「考えや気持ちがまとまらなくなる病気」です。

100から120人に1人がかかるといわれており、日本だけでも100万人以上が発症している病気です。統合失調症が発症しやすいのは、青年期から成人早期と言われ、早期の治療によって約半数は寛解(かんかい:症状が落ち着いて安定した状態)、あるいは軽度の障がいを残して回復する病気です。

ですが、治療が遅れると再発を繰り返したり、薬が効きにくくなったりする病気ですので、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

どんな症状なの?

統合失調症に見られる典型は、幻覚と妄想です。

幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられ、それが病気によるものとは自分で判断ができなくなってしまいます。周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして現れます。

また、これらの典型で目立つ症状以外でも、何もやる気が起きない、引きこもりがちになる。他人との交流を避けるようになるといった、目立たないけれど生活に支障をきたす「陰性症状」が継続することもあります。

治療法は?

統合失調症の治療は、ゆるやかな薬物治療と心理社会的治療の2つの軸で行われます、

薬物療法では主に抗精神病薬による精神症状の治療を行い、専門家と話をしたりリハビリテーションを行う治療(心理社会療法)を組み合わせたりすることで、より有効な治療を行います。

治療の目標

統合失調症の治療は長期にわたって行うことになるので、治療の開始前に治療の目標を決めておくことが大切になります。

すなわち…

・幻覚や妄想などの症状を軽くすること

・記憶や注意などの障害によって社会生活機能が低下するのを防ぐこと

・再発しないように維持すること

などの、個人に合わせた治療の目標をまずは考えていくことになります。

薬物療法

・抗精神病薬が主に使用され、幻覚、まとまらない思考を抑えます。

・また症状に応じて抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、気分安定薬などを併用して治療します。

(薬はいつまで続けるべきなのか)

薬をいつまで続けるのかは、個人差があり一口にはいえません。症状の安定をみながら、減量や増量を行い調整していきますが、その判断は専門医であっても難しいものです。
再発を繰り返すことが多い疾患なので、しばらく症状が安定しているからといって自己判断で薬の量を減らしたり中止したりすることは、再発を誘発して重症化の危険を高めます。

そのため減薬、中止については患者さまと相談し、ライフイベントに合わせた調整を行います。

心理社会的な治療

病気の自己管理の方法を身に付けたり、社会生活機能のレベル低下を防ぐ訓練などを行ったりするもので、精神療法やリハビリテーションが含まれます。就労支援などの社会的サポートも重要です。病状や生活の状態に合わせて、さまざまな方法が用いられます。

・心理教育
病気や治療に関する知識を身に付けて、対処法を学ぶ

・生活技能訓練(SST)
ロールプレイなどを通じて、社会生活や対人関係のスキルを回復する訓練を行う

・作業療法
園芸、料理、木工などの軽作業を通じて、生活機能の回復を目指す

・認知矯正療法
認知課題とそれを日常生活に橋渡しする言語セッションを行い、社会機能の回復を目指す

・就労支援
援助付き雇用プログラムなど、当事者ごとの個別のニーズを踏まえて包括的な支援を行う

統合失調症という病気は、早期の治療的な介入によって、進行を抑えて生活の機能や社会性を保てることがわかっています。当院では多くの統合失調症の患者さまの治療に携わっていきますので、統合失調症に関しては、お気軽に当院までご相談くださいませ。

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