双極性障害
双極性障害とは
双極性障害チェック
・気分が高まって開放的あるいは怒りっぽくなったり、気が高ぶったりする
・自分は何でもできると思う、とても偉くなったように感じる
・徹夜をしたり、あまり眠らなかったりしても元気
・次々と新しい考えやアイデアを思いつく
・とにかく話したくて仕方がなく、しゃべりつづけてしまう
・ソワソワしてじっとしていられない
・高額な買い物や、ギャンブルなど散財を止められない
これらの症状は、双極性障害のせいかもしれません。
双極性障害とは
双極性障害は、気分の高まる躁の状態と、気分が落ち込むうつの状態が交互に起こり、繰り返される、気分が著しく変化する疾患です。
躁状態では、気分が高ぶって誰かれかまわず話しかけたり、まったく眠らずに動き回ったりと、活動的になります。ふだん買わないものに全財産をつぎ込んだり、借金をして買い物をしたり、家族と大げんかになったり、社会的信用や財産、職を失ったりする激しい状態になることもあります。
うつ状態では、一日中ゆううつな気分で、眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたりします。大好きだった趣味やテレビ番組にも関心がなくなったり、食欲が低下し、おっくうで身体を動かすことができなかったり、といったうつ病によく似た症状が見られます。
双極性障害はうつ病とは違います
双極性障害は、はじめはうつ病と診断されてしまうことが多い病気です。
双極性障害になると気分の激しい変化が起こりますが、うつ病はずっと気持ちが落ち込んでいる病気です。ぜんぜん違う病気なのですが、うつ状態が長い双極性障害の人では、よくうつ病と勘違いされてしまうのです。
「私はうつ病と診断されているけれど、なかなか治らない」
そういう人の中には、うつ病ではなく双極性障害でうつ病とは違った治療が必要になることもあります。
実際、うつ病と診断されていた患者さんの5人に1人は最終的に双極性障害に診断が変わるといわれています。
双極性障害は正しい診断がつくまで時間を要する病気で、正しい診断に行き着くまで、平均して4〜10年もかかってしまうのです。
双極性障害の治療法は
基本的には薬物治療と心理社会的治療による2本立ての治療が行われます。うつ病と同じように治療は行われますが、使用されるお薬や家族の支援方法が異なることも特徴です。
薬物療法
・双極性障害の治療には気分安定薬という、気分の浮き沈みを抑える薬を使用して治療を行います。日本で用いられている気分調整薬には、リチウム、バルプロ酸、ラミクタール、カルバマゼピンがあります。
・症状が気分安定薬のみで抑えられない場合、非定型抗精神病薬であるクエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなどが使用されます。
心理社会的治療
心理社会的治療だけでは双極性障害の治療は成り立ちませんが、薬物療法と併用しての心理社会的治療は治療を順調に進めるうえで役立ちます。双極性障害は自分が病気とは受け入れられない、という心理が働くため本人が自分の病気を知り、それを受け入れ、自ら病気をコントロールすることを援助する心理教育が大切になります。
心理社会的治療によって自分の再発のきざしにすぐに気づいて、対応することができるようになれば、再発時に早期に治療を始めることもできます。再発を放置することは双極性障害を悪化させることにつながるので、再発させないための心理社会的治療は重要です。
双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気で、躁状態がこの病気の特徴なのですが、実際にはうつ状態の方が長く見られます。そしてもっとも大切なのは再発せずに治療を継続していくこととなりますので、双極性障害でお困りの際には当院にご連絡ください。