女性のうつ病
うつ病は働き盛りの男性がかかるもの、というイメージはいまだに根強いですが、いま、女性の方が男性の2倍、うつ病にかかることがわかっています。
生活環境の変化やライフイベント、さらには体調の変化など、ライフイベントの変化によって女性はうつ病を発症しやすい時期があるのです。
女性に特有のうつ
・PMDD(月経前不快気分障害)
「月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome)」と呼ばれる症状があり、月経(生理)の3~10日ぐらい前から決まってさまざまな症状が現れます。そんなPMSの人でも、毎月同じようにうつ的な気持ちになり、精神的症状が強く出てきて、うつ病のようになってしまう人が診断されます。
・マタニティーブルーと産後うつ
出産後、なぜか憂うつになったり涙がとまらなかったり。マタニティーブルーなどといわれる不安定な精神状態は、程度の差はあれ30〜50%のママが体験するとわかっています。出産によるホルモンの大きな変動や肉体的な負担、慣れない育児、睡眠不足などが原因で、多くは1週間以上持ち越さないのですが、この気分の落ち込みがそれ以上続く場合には、産後うつが疑われます。
・更年期うつ
女性は40代を越えたころから、卵巣の機能低下に伴い女性ホルモンの分泌が減少し、閉経を迎えます。その前後約10年が『更年期』となります。この更年期では、のぼせやほてり、汗をかくなどさまざまな症状が心身に現れます。これが『更年期障害』です。
そんな更年期障害の女性では、気持ちの落ち込みや不安といったうつ病の症状が強く見られることがあり、更年期うつとして治療される場合があります。
女性に特有のうつを治療する方法
「女性に見られるうつ病」と診断されても、ストレスの感じ方は人それぞれ異なるため、治療法もより個人に寄り添った方法が選択されます。当院では、患者さまの抱える悩みを整理し、対人関係(特に夫や親、子どもなどの近親者)の悩みや葛藤などに焦点を当てて一緒に考えていきます。また、女性のうつ病は、パニック障害などの不安障害や双極性障害を併発している場合も多いため、それぞれの病気と分けて行なっていくことが大切です。
また、薬に頼らない治療を希望される場合も、なるべく使用を選択しないように検討し、使用する場合にも抗うつ薬の投薬量を必要最小限に抑えつつ、効果が最大限発揮されるよう配慮していきます。
女性に特有のうつに関しては、お気軽に当院までご相談くださいませ。